2005年7月27日(水)「しんぶん赤旗」
首長ら民営化批判
「郵便局が生活から遠のく」
参院参考人質疑
「郵便局が生活から遠のく」―二十六日、参院郵政民営化特別委員会が開いた参考人質疑で自治体の首長、議長などから、民営化への異論・反論が相次ぎました。
合併で市域が大きく広がった広島県廿日市市の山下三郎市長は、郵便局と協力関係を結び、集配のときに、独り暮らしのお年寄りに声をかけるなどの活動をおこなっていることを紹介。
「地域密着サービス低下の不安がある民営化をなぜ急ぐのか」とのべ、現状の郵便局ネットワークの維持を求めました。
長野県千曲市議会の原利夫議長は、郵便局でおこなう証明書類の交付などは予想をはるかに上回る利用があることを報告。「市民は、民営化で郵便局が生活から遠のいていくのではないかという危ぐを強く持っている」と懸念を表明しました。
石川県の谷本正憲知事は、郵便局しか金融機関がない地域が多く、高齢者にとっては郵便局がますます重要になっているとしたうえで、「弱肉強食で何があってもいいということではない。弱者を安易に切り捨てることがあってはならない」と指摘しました。
多くの離島を抱える長崎県議会の末永美喜議長は、「国民は苦しみアメリカが喜ぶようなことにならないようにしてほしい」と話し、地方議会での意見書など、国民の声を無視して進められる郵政民営化にクギを刺しました。
質疑には日本共産党から大門実紀史議員が立ち、金融サービスの後退で金融弱者が生まれる問題などをただしました。