2005年7月28日(木)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書に不利な報告

校長指示で書き換え

東京・杉並 中学教員2人が会見


 東京・杉並区で、教科書採択に向けて同区の中学校の社会科教員が区教科用図書調査委員会に提出した教科書調査報告書をめぐって「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を「適切でない」と評価した部分を校長の指示で書きかえさせられていたことが二十七日、明らかになりました。

 書き換えを命じられた教員二人が記者会見。区立中学校の社会科の女性教師は、報告書の総合所見に扶桑社の歴史教科書を「適切でない」とし、他の教科書について「やや適切」などとしたことに校長からの指示を受けて書き直しをさせられたことを明らかにしました。

 別の区立中学校の男性社会科教師は報告書に扶桑社の歴史教科書について「神武天皇を『初代天皇』=大和朝廷のはじまりとは誤り」としたのを「疑問がある」と書き直すよう指示されるなど、扶桑社の歴史、公民教科書についてのみ書き直しさせられました。

 記者会見した杉並区教職員組合の長谷川和男委員長は「教科書採択に向けた意図的なものを感じる。はじめから(扶桑社教科書の)採択先にありきではないか」と批判しました。


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