2005年7月29日(金)「しんぶん赤旗」

郵政法案で自民

“分裂選挙で下野は確実”

採決めぐり党内から声


 参院で郵政民営化法案の八月初旬の採決日程を描く政府・自民党執行部ですが、「通るか通らないか、天国か地獄だ」(自民党・山崎拓前副総裁)と可決・成立の確たる見通しはもてない状況。自民党内の混迷は深まる一方です。

 同党各派の領袖らは二十八日の派閥総会で、法案否決による衆院解散・総選挙のかまえを崩さない小泉純一郎首相の姿勢に改めて反発の声をあげました。森喜朗前首相は「(各派幹部の)皆さんから『解散させてはいけない。解散するなと首相に話すのは森さんだ』と言われた」と紹介。高村正彦元外相は「解散だけはしていただきたくない。分裂選挙では自民党の下野はほぼ確実だ」と強い懸念を表明しました。

 採決結果の見通しが立たないなか、党執行部では法案再修正や継続審議で政局混乱を回避する声もありましたが、青木幹雄参院議員会長は「粛々と法案が審議されているときに誠に遺憾」と全面否定。「この会期中に粛々と採決する」(片山虎之助参院幹事長)としています。

 かといって、採決に向けて党内が結束しているわけではありません。

 丹羽雄哉元厚相は二十八日の旧堀内派総会で「成算なくして、目をつぶってがけから飛び降りるようなこととはわけが違う」とのべ、法案否決の可能性を残したまま採決に突入すべきではないとの考えを示しました。

 解散をふりかざす小泉首相とそれに対する党執行部の対応について加藤紘一元幹事長は、「お父さんが自分の家にガソリンをまいて、『家族全員いうことをきかないと火をつけるぞ』みたいなことをいっているような状況。子どもたちは『まさかそんなことはしない』といっているが、お母さんは『やりかねない』といっている感じで、事は深刻」(二十七日の山崎派パーティー)と指摘しています。

 平沼赳夫前経済産業相のように、首相が解散に持ち込めば衆院の反対議員で「新党」を結成する可能性もにおわせる動きすら出るなど、自民党は迷走状態です。


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