2005年7月29日(金)「しんぶん赤旗」

温暖化対策

米豪主導で新計画

温室効果ガス排出 削減目標定めず


 【ビエンチャン=鈴木勝比古】米国、オーストラリア、日本など六カ国がビエンチャンで二十八日、地球温暖化に関して新たな協定を結ぶ計画を発表しました。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に出席している六カ国の代表が当地で記者会見して発表しました。

 協定は「クリーンな開発と気候に関するアジア・太平洋パートナーシップ」という名称で、中国、インド、韓国も参加しています。

 目的を「経済発展の枠組みの中で、エネルギー、気候変動、大気汚染への対処を追求する」ことと規定。六カ国の温室効果ガス排出量は世界の48%を占めるとしています。また、「パートナーシップは京都議定書にとってかわるのではなく補完する」としています。

 京都議定書は先進国が削減する温室効果ガスの目標を定めており、米国は経済に支障をきたすとして二〇〇一年に離脱しました。オーストラリアも同議定書を批准していません。中国、インド、韓国は議定書の締約国ですが、削減義務は課されていません。議定書の締約国で、削減義務が課されている国の中で、この協定に参加するのは日本だけです。

 記者会見にはゼーリック米国務副長官、ダウナー豪外相、西宮伸一外務省アジア大洋州局審議官らが出席しました。

 ▼京都議定書 二〇〇八―一二年までに先進国全体で一九九〇年比5%の温室効果ガスを削減する国際協定。今年二月に発効しました。各国目標も定められ、日本は6%、欧州連合(EU)は8%。七月二十七日現在で百五十二カ国・地域が批准し、削減対象国は世界の排出量の61・6%を占めます。米国は〇一年三月に離脱を表明。オーストラリアが続きました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp