2005年7月30日(土)「しんぶん赤旗」
有明訴訟原告2000人超す
1147人追加提訴
“諫早干拓中止せよ”
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の工事差し止めを求めた「よみがえれ有明訴訟」で二十九日、漁業者ら千百四十七人が佐賀地裁に追加提訴しました。追加提訴のほとんどは漁民とその家族。原告数は、漁民九百五十二人、市民千七十七人の計二千二十九人となり、「水俣病訴訟と並んで過去最大規模」(弁護団)の公害訴訟に広がりました。
提訴後の集会では、漁業者らが漁業被害の拡大を語り、「いま立ちあがらないと海は取り戻せない」と、工事差し止めを取り消した福岡高裁決定への憤りを示しました。
馬奈木昭雄弁護団長は「農水省はえせ『再生事業』で金をばらまいて諫早湾干拓に手を付けさせないで漁民を黙らせようとしているが、千百四十七人の追加提訴は黙らないという断固とした抗議の声だ」と指摘しました。
諫早湾干拓工事をめぐっては、佐賀地裁が昨年八月同事業と漁業被害との因果関係を認め、工事を差し止める仮処分を決定し、工事が中断。ことし五月福岡高裁が地裁決定を取り消し、工事が再開されています。漁業者側は、許可抗告し、最高裁で審理されています。