2005年8月1日(月)「しんぶん赤旗」

靖国参拝―問題の核心は戦争観にある

テレ朝系討論番組 志位委員長が発言

安倍自民幹事長代理「歴史が判断下す」

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 日本共産党の志位和夫委員長は三十一日、テレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」に出演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題について、自民党の安倍晋三幹事長代理と約四十分間にわたって討論。「問題の核心、本質は、靖国神社がどんな歴史観、戦争観に立っているかだ」と指摘し、小泉首相の参拝中止を求めました。

 志位氏は、靖国神社の主張を掲載した『遊就館図録』で、宮司が過去の日本の侵略戦争を「自存自衛の戦争」「アジア解放のための正しい戦争」との立場にたち、それを国民の中に宣伝することを「使命」にしていると指摘。「ここに首相が参拝することになれば、『正しい戦争だった』という立場に日本政府のお墨付きを与えることになる」と強調しました。

 番組では、靖国神社が東京裁判(極東国際軍事裁判)で裁かれたA級戦犯を「一方的に“戦争犯罪人”という、ぬれぎぬをきせられた」と説明していると紹介。安倍氏は、A級戦犯の中には戦後、大臣などになった人物がいたことをあげて「国内法的には犯罪者ではない」と弁明しました。

 志位氏は、「A級戦犯として有罪の判決がくだった人が大臣になるような政治そのものがおかしい」と反論。そのうえで安倍氏に対して、(1)過去の日本の戦争を、靖国神社のように「自存自衛」の戦争だと考えているのか、(2)A級戦犯について靖国神社がいうように「ぬれぎぬだ」「罪はなかった」人たちだと考えているのか――とただしました。

 安倍氏は「大平(正芳)首相は、A級戦犯の問題、大東亜戦争の問題は歴史が判断をくだすだろう(といっている)」「今のスタンダード(基準)で当時の状況を断罪してもあまり意味がない」と答えました。

 志位氏は「日本とドイツがやった侵略戦争が間違いだったというのは戦後の世界の土台だ」と強調。戦前戦後の歴史を跡付けたうえで、「安倍さんの議論のなかには、あまりにも痛みを受けた側の民族の苦しみにたいする理解がない」と批判しました。

 安倍氏は中国が首相の靖国参拝に反対するのは「中国共産党が一党支配している正当性が必要だ(からだ)」などと発言。志位氏は「勘ぐりをもって外交をやってはならない。あれこれの憶測をもって相手国を論じ、だから筋の通らないことをやってもいいんだというのは、外交として一番悪いやり方だ」と指摘しました。


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