2005年8月1日(月)「しんぶん赤旗」
アスベスト相談殺到
厚労省に電話368件
工場周辺住民からも
厚生労働省は三十、三十一の両日、先に発表したアスベスト(石綿)による労災認定事業所一覧についての電話相談を実施しました。
同省補償課によると、東京・霞が関の同省内に設置された五台の電話が、相談開始の一時間以上前から鳴り出しました。終日かかりにくい状態で、定時の午後五時をすぎてもベルが鳴りつづけ、「途切れることなく相談電話が殺到した」(同省補償課)といいます。
三十日から三十一日午後五時までで計三百六十八件の相談がよせられ、このうち半数以上の約百八十八件がアスベスト作業をおこなった労働者や家族からのもの。工場周辺住民からの問い合わせも十七件、車庫や駐車場などに使用されたアスベストの健康相談も百三十六件ありました。
同課によると、現場でアスベスト建材などを加工する作業をした建設関係や造船現場などの労働者や家族からの相談が多く、遺族から「中皮腫として診断され、すでに死亡したが、どうしたらいいのか」という相談も。
「工場で働いていた息子が肺がんで死んだが、公表事業所になっていないのはどういうことか」などの問い合わせが相次ぎました。
電話相談は一日以降、同省職業病認定対策室のほか、各地の労働局や労働基準監督署で受けつけ、アスベストの健康相談についても各地の保健所や産業保健推進センター、労災病院で相談窓口を開設します。