2005年8月1日(月)「しんぶん赤旗」
鳥インフルエンザASEANが懸念
4カ国で死者60人
ベトナム ワクチン接種開始
【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナムでは鳥インフルエンザの拡大を防ぐために、三十日、家禽(かきん)へのワクチン接種が開始されました。
同国では鳥インフルエンザによる死者は二十七日までに四十一人となっています。またタイで十二人、カンボジアで四人、インドネシアで三人が死亡しています。感染者の死亡率は50%を超えています。
ビエンチャンで七月下旬に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議では、鳥インフルエンザが「テロ以上に深刻な問題となる可能性がある」(ASEAN地域フォーラム=ARF=でのニュージーランド代表の発言)などの懸念が表明されました。ARF議長声明は「鳥インフルエンザが人間と動物の健康、この地域の幅広い安全への脅威を高めている」と述べ、各国に監視と発生のさいの迅速な報告を求めています。
ベトナム保健省は、H5N1型の鳥インフルエンザが今年の冬から来春にかけて大発生することを警戒、ウイルスが変異して人に容易に感染する可能性があるとみています。このため今年中にワクチン四億一千五百万回分を購入する計画です。八月の接種用として二千万回分をすでに購入しています。
家禽へのワクチン接種の最初の地として南部のティエンザン省が選ばれました。八月五日までに同省のチャガオ県アンタイントゥイ村で九万一千羽の家禽にワクチンを接種します。同省全体で家禽は二百九十万羽います。また北部では、ナムディン省が最初の接種地となっています。