2005年8月2日(火)「しんぶん赤旗」
英週刊紙 靖国神社を批判
戦争責任 英国などに押しつけ
【ロンドン=西尾正哉】英国の有力週刊紙サンデー・タイムズ七月三十一日付は、靖国神社が日本の侵略戦争を正当化し、第二次世界大戦の戦争責任を英国などに押し付けようとしていると批判しました。
東京発のこの記事は、国際面の約半分を使っています。
記事は、靖国神社の遊就館が明治以来日本が行った戦争について「熱狂的で反省のない見方」を示していると指摘。「戦時中の首相として連合国の手で死刑になった東条英機が他の十三人の戦争犯罪人とともにまつられている」と伝えました。
また、「靖国神社は右派愛国主義者の再興の中心になっている」と述べ、元従軍慰安婦の韓国人の証言を紹介しつつ、「中国や韓国の何百万という人々は、日本の反省は不誠実なものだと考えている」としています。
そして「靖国神社の歴史観がなぜ中国人を激怒させているかを知るのは容易だ」と指摘し、遊就館の展示説明が南京大虐殺を否定していることを挙げました。
さらに、遊就館で上映されているビデオが「外国による植民地主義を強調し、日本を解放者として描いている」ことや、「何百万人もの命を奪った」中国への侵略を「支那事変」としか表現していないこと、「日本がアジアで石油と鉄を正当に入手する上で英国とオランダが主要な障害だったと説明している」ことなどを指摘しています。
日米開戦についてもハル米国務長官の「ハルノート」が最後通告だったという「これまで長く信じられてこなかった主張を繰り返している」と批判しました。
同紙は靖国神社側にインタビューを申し入れたものの拒否されたとしています。