2005年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書ノー

“歴史の真実 生徒に”

東京・杉並区 区役所前で700人集会


 侵略戦争を肯定する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を子どもたちに渡せないと、杉並の教育を考えるみんなの会は一日、東京・杉並区役所前で緊急集会を開き、七百人が参加しました。区役所前広場は「子どもたちに真実を伝えよう」「歴史をわい曲して育む『誇り』って何?」などと書いた手製のプラカードや横断幕を持った人たちで埋まりました。

 杉並区は四日の区教委で教科書採択を行う予定。同区では区教委の教科用図書調査委員会が、「つくる会」教科書に否定的な報告書を提出した区立中学校教員に対し書き直しを指示。山田宏区長は、二対三で「つくる会」教科書を不採択にした四年前の採択で「つくる会」教科書を支持しなかった教育長を入れ替えており、緊迫した状況を迎えています。

 集会では教員や区民、在日韓国・朝鮮人や中国人など十人が発言。「『つくる会』教科書を読んだが、あの身勝手な歴史解釈を子どもに教えられるのはたまらない」(小学生・中学生の母親)、「日本が植民地支配した時代に強制連行された人々が私たちの一世です。その気持ちを踏みにじる『つくる会』教科書を不採択にしよう」(在日本大韓民国民団)、「『つくる会』はそれぞれの時代の正義があるといって侵略戦争などを肯定するが、その『正義』に誤りがあったといわない歴史教育は根本的に誤っている」(元杉並区教育委員の大門哲氏)と訴えました。

 参加者は「『つくる会』教科書採択はノー」「教科書を密室で選ぶのはノー」「歴史の真実を伝えようにイエス」と繰り返し唱和。「憲法を否定し世界との協調・共生を拒絶する『つくる会』教科書の採択はもちろん、採択手続きにおける不正を断じて許すわけにはいきません」とした集会アピールを採択し、四日まで連日、宣伝と区教委への要請を行うことを確認しました。

 集会後、参加者約三十人が区教委に要請しました。


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