2005年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
「つくる会」教科書
栃木・小山両市選定せず
採択協など きょう教委で審議
栃木県栃木市の教科書採択協議会と小山市の教科用図書選定委員会が三日開かれ、両市とも「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社版)の歴史・公民教科書は選定しませんでした。選定結果は両市とも四日の教育委員会で審議されます。
栃木・小山両市は四年前、「つくる会」の教科書をいったん選定し、住民や市民の批判で撤回に追い込まれた下都賀地区に含まれていました。今回はそれぞれ市単独で選定作業を進めています。
「つくる会」は前回の採択撤回を異常事態と攻撃。自民党国会議員や右翼、改憲団体などが「教科書を良くする栃木県民の会」を結成し、圧力をかけていました。昨年夏には現職中学教師が扶桑社版教科書の採択めざすパネル展を栃木市内で開くなど、改憲団体「新しい歴史をつくる会」の策動も強められていました。
「教科書問題と教育を考える会」などが不採用を求めて草の根の運動を展開。栃木市では八人の弁護士が市教育委員会に要請、小山市では「採択させないの一点で運動しよう」と市民、市議、市職員労働組合が共同で宣伝・署名活動をすすめていました。
栃木市の協議会会場には不採用を求める市民らが約百五十人、小山市の選定委員会会場には八十人がかけつけました。