2005年8月5日(金)「しんぶん赤旗」
もっと世論に訴え採択阻止へ
やれること全部やる
報告集会
「つくる会」教科書の採択が狙われていた東京・杉並区。四日の教育委員会では、意見が割れる形で採択が十二日に延期となりました。かたずをのんで審議に聞き入っていた人たちからは、「あぶない教科書は子どもに渡せないという世論をもっと広げ、何としても採択を阻止しよう」という声が聞かれました。
元児童館職員(51)は語りました。
「教育委員のなかには扶桑社教科書は戦争を美化していないなど発言した人もいましたが、とんでもない。この間、ある子どもと教科書のことを話していたらほかの子も寄ってきて『戦争はいや。そんな教科書で勉強したくない』といっていました。継続審議になり、無関心だった人も関心をもってくれるでしょう。そういう人たちにもっと訴えて、運動を広げないといけない」
団体職員の女性(60)は「時代の流れに逆行する教科書の採択は許せません。教育委員も揺れているのではないでしょうか。圧力に負けないで良識をもって決断してもらいたい。そのために私たちの運動を強めたい」。
同日夜には、「つくる会」教科書の採択に反対する運動を続けている「杉並の教育を考えるみんなの会」が報告集会を開催。百人以上が集まりました。次回審議の十二日まで「やれることは全部やろう」「一人でも多くの人に知らせ、行動してもらおう」と話し合い、連日朝のビラ配布や街頭宣伝、教育委員へのメールやファクスなどの行動をすすめることにしました。
子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長が、全国各地で運動によって「つくる会」教科書の採択を阻止していることを報告。「あぶないといわれた杉並できょうの採択をさせなかったことは区民の活動の成果。阻止する展望は十分ある」とのべ、いっそうのとりくみを訴えました。