2005年8月14日(日)「しんぶん赤旗」
人民日報
“危険な「靖国文化」”論評
遊就館の展示
侵略美化と批判
【北京=菊池敏也】十二日付の人民日報(中国共産党機関紙)は、「危険な『靖国文化』」と題する社会科学院の呉広義研究員による論評を掲載し、靖国神社が「日本の歴史わい曲、侵略美化の害毒を流す震源地」となっている実態を告発しました。
同論評は、「八月十五日という特別な日が近づくにつれ、アジア各国の人民は靖国神社に警戒の視線を向けている」と指摘。特に神社内の博物館、遊就館の展示について、「歴史を気ままに『裁断』し、写真、図表、実物や映像による展示を通じ、日本の過去の侵略、拡張を正義の行動と美化している」と批判しています。
また、遊就館で上映されている「ドキュメンタリー」映画に言及。この映画が、八月十五日に靖国神社で英霊をまつる大祭を開き、首相や閣僚が「公式参拝」する制度をつくるために「国民運動」を呼びかけているとし、「靖国神社はさまざまな方法で日本の侵略戦争を美化し、軍国主義の魂を呼び戻す『靖国文化』を形成している」と指摘しています。
論評は、こうした「奇形な文化」は、歴史をわい曲してアジア各国人民の感情を傷つけるだけでなく、「青年を含めた相当多くの日本民衆にも悪影響を及ぼしており、その害毒を無視することは許されない」と強調しています。
さらに、日本政府が国連安保理の常任理事国入りをめざしていることにも触れ、「靖国文化」は国連憲章の立場と「まったく相いれない」と指摘。日本が「靖国文化」によって侵略戦争を覆そうとすることは、「国連憲章とそれによって確立された世界秩序に対する公然とした挑発であることは疑いない」と批判しています。
その上で「歴史に対しこんなに無責任な国が、世界の平和と安全の維持という重責をどうやって負うことができるのか」と疑問を発しています。