2005年8月19日(金)「しんぶん赤旗」
負担増 施設長が悲鳴
改悪介護保険法 「生活脅かす」
特養ホームなど介護施設の食費と居住費、通所サービスの食費を全額自己負担にする改悪介護保険法の実施を十月に控え、老人福祉施設の施設長らでつくる21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会は十八日、都内で緊急施設長会議を開催。改悪法の深刻な影響が各地から報告されました。
開会あいさつした廣末利弥事務局長は、法改悪で利用者は年間三十五万円(相部屋・住民税本人非課税)の負担増、施設にとっても入所者一人当たり年間十三万円(相部屋)の減収になると指摘。低所得者対策も保険財政と社会福祉法人に押しつけているとのべ、「改悪法は限りない利用者負担増と公的責任の後退で権利としての社会保障を崩すもの」と批判しました。
高齢者のプライバシーを守るため施設の85%を個室としている山形県の特養ホーム・とかみ共生苑の高橋春樹氏は、いまは個室でも室料を徴収していないが改悪後は介護報酬が減り徴収せざるを得ないとのべ、十月から月四―五万円の負担増になる人が入所者の三割近くになると語りました。
大阪府堺市のデイサービスセンター・結いの里の小島すゞ代氏は、食費の全額自己負担化は、低所得者に大きな出費で生活を脅かすとし、保険給付の復活を求め自治体と交渉していると報告。
来年四月導入される軽度者の新予防給付について長野県のケアハウスかみさとの岡田清平氏は、長野県ケアハウス協議会の調査では入所者の四割以上を軽度者が占めるとのべ、新予防給付でホームヘルパーの利用が制限されるとケアハウスでの生活が成り立たないと訴えました。