2005年8月22日(月)「しんぶん赤旗」
イラク反戦
シーハンさんら継続へ
米大統領 また戦争正当化
【ワシントン=山崎伸治】イラク戦争で息子を失ったシンディ・シーハンさんが、ブッシュ米大統領との面会を求めて同氏の自宅農場前にキャンプを張って二十日で二週間になりました。ブッシュ氏は同日行った土曜日恒例のラジオ演説で、「兵士が命をささげた任務を完了することで、その犠牲に敬意を表さねばならない」とのべ、イラクからの即時撤退を改めて否定しました。
「息子はなぜイラクで死なねばならなかったのか」というシーハンさんの訴えがマスコミを通じて広がり、最新の米CNNテレビ・USAトゥデー紙・ギャラップ社の世論調査では、54%の人がイラクへの派兵はすべきでなかったと答えるなど、イラク戦争のそもそもが改めて問題になっています。
ブッシュ氏のラジオ演説はそうした世論を意識してか、「対テロ戦争でわが国は、軍服を着た人たちの勇気に頼っている」とのべ、「尊い犠牲」に感謝を示すことで戦争を正当化しました。
シーハンさんは母親の看病のため急きょ自宅にもどっていますが、支援団体がキャンプを張っての行動を続けています。キャンプはブッシュ氏が「面会に応じるまで、あるいは(ブッシュ氏の休暇が終わる)三十一日まで」(シーハンさん)継続しますが、たとえブッシュ氏が面会を拒否し続けても、そこで終わりません。
十九日放送の米パシフィカ・ラジオのニュース番組「デモクラシー・ナウ」でシーハンさんは、三十一日にキャンプを出発して首都ワシントンDCを目指すバス・ツアーが計画されていることを紹介。三台のバスがそれぞれ違うコースを通りながら、九月二十四日に首都で開かれる反戦集会に参加します。
さらに、ホワイトハウス前のラフィエット広場でキャンプを続ける計画もあり、シーハンさんも参加する意向を表明。ブッシュ大統領にイラク戦争の責任を問う声はおさまりそうにありません。