2005年8月24日(水)「しんぶん赤旗」

共産党は、いま年金改革で何が必要と考えていますか?


 〈問い〉 世論調査では、総選挙での関心事の筆頭に「年金」があがっています。日本共産党は年金改革で今なにをするべきだと考えていますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 年金制度をめぐる今日の最大の問題は、日々の生活をまかなえない低額年金、無年金の人が膨大な数にのぼることです。国民年金しか受給していない高齢者は900万人もいますが、その平均受給額は月額わずか4万6000円です。厚生年金も、女性を中心に劣悪な状態が放置されています。国民年金の保険料を払っていない人が1000万人を超えるなど、年金制度全体の深刻な空洞化もすすんでいます。改革というなら、こうした現状を打開することこそ必要です。

 ところが、政府が昨年強行した「改革」法は、保険料を連続で引き上げ、給付水準は低額年金を含めて一律に引き下げるというものでした。これでは、制度の空洞化がいっそう深刻化し、年金制度は老後の生活保障という役割をますます失ってしまいます。「改革」の名に値しない悪法に、国民の8割が反対したのは当然です。この改悪を白紙に戻し、年金改革の議論を一からやり直すことが必要です。

 日本共産党は昨年、「『最低保障年金制度』を実現し、いまも将来も安心できる年金制度をつくる」という改革案を発表しました。その中心点は、憲法25条の「生存権」を保障する見地に立って、全額国の負担でまかなう「最低保障年金制度」を実現させることです。第一歩として、最低保障額を月額5万円とし、その上に、支払った保険料に応じて一定額を上乗せし、低額年金を底上げする制度をスタートさせます。

 「最低保障年金制度」は、低額年金や無年金者の問題、年金制度全体の空洞化、サラリーマン世帯の専業主婦の問題など、今日の年金制度が抱えるさまざまな矛盾を根本的に解決する道が開けます。

 日本共産党は、安心できる年金制度にするために、次の4つの改革に取り組みます。

 (1)年金財源は、大型公共事業や軍事費などの浪費を削減し、大企業や高額所得者に応分の負担を求める、(2)巨額の年金積立金は、高齢化がピークを迎える2050年ごろまでに計画的に取り崩して年金給付にあてる、(3)リストラや不安定雇用に歯止めをかけ、年金の支え手をふやす、(4)少子化の克服は年金問題を解決するうえでも大事であり、安心して子どもを産み育てられる社会をつくる。

 この改革をすすめれば、給付を減額せずに、低額年金を底上げすることができます。(政)

 〔2005・8・24(水)〕


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