2005年8月25日(木)「しんぶん赤旗」
侵略戦争肯定「つくる会」教科書
埼玉県と松山市が不採択
埼玉全地区で採用せず
埼玉県教育委員会は二十四日、来年度から県立中高一貫校、盲ろう養護学校で使う教科書を採択、社会科公民・歴史分野で「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社)の教科書を不採択としました。県内すべてで「つくる会」教科書を採用しないことが確定しました。
埼玉県は昨年十二月、「つくる会」教科書監修にも携わった同会元副会長の高橋史朗氏を教育委員に起用、採択結果が注目されていました。高橋委員は県内外の批判を浴びて、公民・歴史教科書の採択協議・投票の際、退席しました。
傍聴した「教育と自治・埼玉ネットワーク」世話人の女性(44)=川口市=は「当然の結果だと思います。高橋氏が退席したことは、請願、署名をすすめた私たちの運動の成果だが、高橋氏から家庭科教科書についてジェンダーフリー教育攻撃の発言もあった。今後も監視していかなければ」と話しました。
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愛媛県の松山市教育委員会は二十四日、臨時委員会を開き、中学校で使用する社会科教科書について、歴史は東京書籍、公民は大阪書籍発行の教科書を採択することを全会一致で決定しました。侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社)の歴史・公民教科書は採択されませんでした。
同市教委は、採択の日程や審議の内容を非公開とし、臨時委員会終了後の記者会見で結果を発表しました。
愛媛県では、これまでに今治地区(今治市・上島町)、新居浜市、西予市が「つくる会」以外の歴史・公民教科書を採択することを決定しています。
二〇〇一年と〇二年には、愛媛県教委が県立養護学校・ろう学校と中高一貫校で扶桑社版歴史教科書を採択。県内における教科書の採択動向が注目されています。