53地区で不採択

東京全地区で選定終わる

　来年から使われる中学校教科書を決める教育委員会が二十五日に東京都府中市、二十六日に同小平市と福生市で開かれました。「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書はいずれも採択されませんでした。

　東京都内の区市町村立中学校の教科書採択は五十四の採択地区すべて終わり、「つくる会」教科書は杉並区が歴史で採択しただけにとどまりました。

　東京都では「つくる会」の賛同者である石原都知事のもとで、都教育委員会が「つくる会」教科書に有利になる偏った内容の資料を採択の「参考」として全区市町村教委に配布。都立学校の一部での採択を決定していました。都教委の指導で現場教員の意見の排除も進んでいました。

　しかし、侵略戦争を美化する教科書を子どもたちに渡すなという人たちが各地域で共同の運動を広げ、ほとんどの地域で採択を許しませんでした。区長の主導で「つくる会」歴史教科書の採択が強行された杉並区では、撤回を求める運動が広がっています。

　二十六日開かれた小平市の教育委員会は七十人の市民が傍聴。五人の教育委員のうち委員長一人が｢つくる会｣教科書を推しましたが、ほかの四人は支持しませんでした。