2005年9月1日(木)「しんぶん赤旗」

バグダッド700人死亡

シーア派聖廟付近 攻撃で混乱 川に転落


 【カイロ=小泉大介】イラクの首都バグダッドで三十一日、イスラム教シーア派のカジミヤ廟(びょう)付近で迫撃砲弾攻撃があり、さらに自爆テロがあるとのうわさに、宗教行事参加のため同廟に向かっていた数千人の市民がチグリス川に架かっている橋の上でパニックになり、次々、橋から川に転落するなどして、七百人近くが死亡しました。

 一昨年三月のイラク戦争開戦以降、武装勢力の攻撃やテロにかかわる被害としては最悪の事態となりました。犠牲となったのは、カジミヤ廟で行われるシーア派第七代イマーム(同派最高指導者)追悼行事のため全国から集まった数十万の信者の一部です。事故が起こる直前、モスクに向かう信者に対し迫撃砲攻撃が三度あり、少なくとも七人が死亡。さらにテロ発生のうわさでパニックとなった群衆が橋の上で将棋倒しになり、橋の欄干が壊れ川に転落したものとみられます。

 イラクでは二十八日に憲法草案がイスラム教スンニ派の反対にもかかわらず議会で承認されたことを受け、十月の国民投票に向け武装勢力の攻撃やテロが激化するとの懸念が高まっていました。


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