2005年9月2日(金)「しんぶん赤旗」

問われるのはこれまでの、これからの4年

TBS系「ニュース23」 志位委員長が主張


 日本共産党の志位和夫委員長は八月三十一日夜のTBS系報道番組「ニュース23」に出演し、各党党首と議論をたたかわせました。

 討論の最初に「何が問われる選挙か」を各党首がパネルで示し、志位氏は「これまでの四年、これからの四年」と書き込み、次のようにのべました。

 「これをしっかり問う選挙にしたい。小泉さんは『改革を止めるな』と言いますが、『改革』の名でやられてきたこの四年間は、社会保障の連続切り捨て、雇用の不安定化、国民は痛みを強いられました。財界は大もうけ。こういう政治を続けていいのか。そしてこれからの四年。小泉さんの任期の一年だけではありません。衆議院議員の任期は四年ですから、その期間に問われてくるのは、庶民大増税―サラリーマン増税、消費税の増税―を許していいのか。そして憲法九条を壊して日本が戦争をする国になっていいのか。この二つの大問題が問われてくると思います」

 自民党の小泉純一郎総裁は「郵政民営化、賛成か反対か」と書きました。司会の筑紫哲也氏が「郵政の国民投票的色彩が代議制民主主義になじむのか。靖国の参拝には反対だが郵政民営化には賛成の人はどうしたらよいか」と小泉首相に質問。首相は「四年間政権担当して、そのへんは判断済みだと思う」「今までの基本方針に沿って外交も内政もすすめる。それも含んだ解散・総選挙です」とかわそうとしました。

 これに対し志位氏は「小泉さんの手法はたいへん問題がある。小泉さんは、郵政の話しかしないのですが、郵政民営化法案を九月の特別国会で通すという。そうなると九月以降は白紙委任。これは独裁政治につながる。しかし自民党のマニフェストを見ると、改憲に踏み出す、九条を変えますと出てます。消費税も値上げの方向が出ています。こういう大問題をちっとも語らないのは民主主義の面から見てまずいと思います」と批判しました。

 内政問題では、郵政、年金、消費税問題が議論になりました。

 年金問題で小泉首相が「年金は選挙の争点にしない方がいいと与野党、衆参いっしょの協議会が始まった。今後もこれをすすめるべき」と発言。民主党の岡田克也代表は「秋までに年金の抜本改革の骨格をつくるように求めた。(その約束を破られて)怒っている。与野党の協議は終わりです」とのべました。

 志位氏は「二つの大事な点がある」と指摘しました。

 一つは国民年金が空洞化している問題です。志位氏は「あまりにも受給額が少ない。ここをしっかりさせなければならない。私たちは、最低保障年金をつくる、月五万円からスタートすると提案していますが、この土台部分からの議論をしっかりしなければならない」と強調しました。

 もうひとつは財源の問題です。「社会保障合同会議の記録を見ますと、結局、自民党も民主党も公明党も消費税をあげろといっています。消費税ほど年金財源にふさわしくないものはない。所得の少ない方に重くのしかかるわけですから。高額所得者や大企業に応分の負担を求めるべきです」

 十二月が期限のイラクの自衛隊派兵問題も議論になり、小泉首相は撤退を明言しませんでした。

 志位氏は、イラク首相も「最悪の戦争状態」だと最近のべていること、有志連合三十八カ国のうち約二十カ国が撤退、あるいは撤退計画中などで、どの国も主体的に“出口戦略”を考えていると指摘。「イタリアは撤退を開始した。イギリスも近いうちに大規模な撤退の計画があるという。その時に小泉さんは“出口”を考えていない。十二月になったら考えるといいますが、結局アメリカの顔色をうかがって、アメリカがOKと言うまでいっしょにいるというのが、小泉さんの方針ではないか。答えてください」と追及しました。

 小泉首相は「イラク特措法にのっとって活動しており、イラク政府自身が求めてきている」というだけでした。

■税のゆがみをただす

■ラジオ番組で志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は一日朝、ニッポン放送のラジオ番組「朝はニッポン一番ノリ!」に電話出演し、選挙戦の手ごたえや争点について、エコノミストの森永卓郎氏のインタビューに答えました。

 このなかで、志位氏は年金問題をきかれ、基礎年金を全国民に保障する最低保障年金の創設を主張。税負担を求める際には、大企業や高額所得者、資産家に応分の負担を求めるべきだとして、「株式の配当や譲渡など、左から右に株を動かすだけでもうけることには10%しか税金がかからない。額に汗して働く人よりも、マネーゲームをしている人の方が税金が安いというのはおかしい」と税制のゆがみを批判しました。

 “財政再建のためにもサラリーマン増税を”という政府側の言い分については、「税制のあり方は、負担能力に応じて負担するのが民主的原則だ。庶民に重い消費税や、諸控除をなくして課税最低限を下げることは、まちがっている」と批判。日本では企業の税・保険料負担が仏独伊三国に比べて低いことをあげ、「ここに手をつけないで、とりやすい庶民からとることはだれも納得しない」と批判しました。

 さらに、大企業・財界が八十二兆円もの余剰資金をかかえているとのべ、「その点で、国際競争力が悪くなるという言い分も、もう通用しない」と指摘しました。


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