2005年9月9日(金)「しんぶん赤旗」
自民・公明 民主
増税隠し通用しない
「増税しない」というなら民主は公約撤回せよ
志位委員長が批判
日本共産党の志位和夫委員長は八日、香川・高松市内でおこなった街頭演説で、民主党が最終盤になって急に「この三年間、歳入を増やすための増税はしない」「歳出削減の民主党か、増税の自民党か、これが争点だ」(岡田克也代表)とのべていることについて、「これまで岡田代表自身が三年以内に十兆円規模の増税をおこなうと明言し、そのことはマニフェスト(政権公約)にも明記している。『増税しない』というなら、マニフェストを撤回すべきだ」とのべました。
民主党はマニフェストで、「配偶者控除、扶養控除の廃止」をおこなうこと、二〇〇八年度までに「年金目的消費税の導入」(税率3%引き上げ)をおこなうことを明記しています。
また、岡田代表は、これまでテレビでの党首討論会で、三年以内に諸控除の廃止による所得税の増税、“年金のため”の名目での消費税の引き上げで、合計で十兆円規模の増税をおこなうことを明言してきました。
志位氏は、「岡田代表自身が、“三年以内に消費税を3%値上げし、扶養控除、配偶者控除をなくす”とテレビで言い、そのことは、はっきりマニフェストにも書き込んである。それが批判されたら、“歳入増のための増税はやらない”“歳出削減の民主党か、増税の自民党か”といい出すのは、いったいどういうことか」と指摘。「『増税しない』というなら、マニフェストを撤回すべきだ。そうでなければ、国民をあざむく偽りになる」とのべました。
■「増税ストップ」にわかに声明
■民主党
民主党の岡田克也代表は六日、急きょ「大増税ストップ」「年金抜本改革」を訴える声明を出しました。
声明は、自公連立政権が「大増税をひた隠しにして、今後4年間の政治への白紙委任を国民に求めている」として、「大増税を止め、まず徹底した歳出削減を行います」などとのべています。
しかし、民主党は自ら控除廃止と消費税増税で十兆円規模の大増税計画を掲げており、それにはほおかむりして自公政権を批判するというのでは自公と変わりません。
■民主党のマニフェスト(政策各論)から
「2008年度までに『公平・透明・持続可能』な年金制度への抜本改革を実現します」「年金目的消費税などを財源に老後の最低限の年金を保障します」
■民主・岡田代表の発言から
「三年間は大きな増税はしません。その後はぜんぜん増税なしですむと思っていません。ただし、今の控除を整理する。年金の消費税も入れる。そういうものはやる」(八月十四日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で)
「社会保障費などは増えざるをえない。そうしたことについて、増税をどっかで考えないといけない」「(消費税率の引き上げは)3%だ」(八月二十九日の日本記者クラブ党首討論会で)
■24兆円増税狙う小泉・自公政権
サラリーマンを狙い撃ちする「定率減税廃止」や「各種控除廃止」、「消費税の二ケタ化」で二十四兆円もの大増税をたくらんでいるのが、小泉・自公政権です。
政府税制調査会の方針(六月)で、年収五百万円の四人家族で新たに五十五万円も増税になる「超重税」(「読売」六月二十二日付)です。
自民・公明ともマニフェストで「〇七年度をめどに消費税を含む税体系の抜本的改革」とあいまいにしていました。
しかし、これは「消費税を上げることか」と聞かれた武部勤幹事長は、「それはそうだ」(八月二十八日の民放番組)と明言。公明党の神崎武法代表も「必要があればやむをえない」(同)と容認する考えを示しました。
サラリーマン増税について自公は「政府税調の考え方はとらない」(自民党マニフェスト)と“増税隠し”に懸命ですが、「控除見直し」はもともと昨年末、「与党税制改正大綱」で決めた方針です。小泉首相も「控除見直しも当然やります」と認めました。(一日の党首討論)