2005年9月9日(金)「しんぶん赤旗」
小泉政権
イラク派兵 だんまり
延長準備着々と
小泉・自公政権は終盤にいたるまで、十二月十四日に派兵期限を迎えるイラクへの自衛隊派兵について「総合的に検討する」(小泉純一郎首相、四日のNHK討論番組)などというだけで、ダンマリを決め込んでいます。
マニフェスト(政権公約)でも、延長の是非については一言も触れていません。ところが、防衛庁・自衛隊は派兵延長に向けた準備をすでに始めています。
陸上自衛隊幕僚監部は派兵延長に備えて、準備を始める指示を陸自東部方面隊に出していたことが七日に判明。森勉陸上幕僚長も八日、「長官命令に基づき東部方面総監に対して派遣の準備通達を八月十日に出した」と述べ、大野功統防衛庁長官(自民党)の指示ですでに派兵延長準備が進んでいることを認めました。どの部隊を派兵するかも来年五月までの計画ができていると報じられています。
しかし、イラクは米国の無法な戦争と占領支配の結果、治安は悪化の一途をたどり、「最悪の戦争状態」(イラクのジャファリ首相)になっています。イラク・サマワの陸自宿営地を狙った攻撃は十回に及び、日本政府の「戦闘地域ではない」という口実は完全に崩れています。
しかも、これまでイラク派兵につぎ込んだ経費は、二〇〇五年度予算を含め、六百四十八億円(予算ベース)にのぼります。
十一月一日に派兵期限が切れる、インド洋での海上自衛隊艦船による米艦船などへの給油活動には、燃料費だけで百六十一億円(八月末まで)もかかっています。活動経費(〇四年九月末まで)を加えると、五百二十一億円に達します。これら派兵経費の総計は千百六十九億円。派兵延長はこれをいっそう膨らませることになります。国民に語らず派兵延長の準備を進める自民・公明の与党に、総選挙で厳しい審判が求められます。