2005年9月12日(月)「しんぶん赤旗」

ブッシュ支持最低38%

イラク戦費・部隊削れ6割

米世論調査


 米誌『ニューズウィーク』(電子版)が十日伝えた世論調査(八、九両日実施)によると、ブッシュ大統領の仕事ぶりを評価すると回答したのはわずか38%にとどまり、同誌の調査では同大統領就任以後最低を記録しました。評価しないとする人は55%に上りました。

■ハリケーン対応で

 また、「国が進んでいる方向に満足しているか」との問いに、イエスと答えたのもわずか28%で、八月の36%、昨年十二月の46%から大幅に低下しました。ノーと答えた人は三分の二に達しています。

 ハリケーン「カトリーナ」へのブッシュ大統領の対応のまずさが反映していると同誌は指摘しており、57%が「政府の対応の遅れで、自然災害への政府の対応能力に信頼を失った」と述べています。9・11同時テロのような危機への政府の対応能力にも47%が不信感を抱いています。

 同じく十日に米誌『タイム』(電子版)が発表した世論調査(七、八両日実施)でも、ブッシュ大統領の支持率は42%で、同誌調査としては就任以来の最低を記録。特に、「カトリーナ」への対応についての説明に不満を感じている人が57%に上り、満足しているとする人の36%を大きく上回っています。

 さらに、61%の人が「ハリケーン被災地の再建のため、イラクへの支出を削減すべきだ」と答え、58%が「復興支援のため米軍の一部をイラクから撤退させるべきだ」と答えています。

 各種世論調査でブッシュ大統領の八月の支持率は、イラク戦争の「泥沼化」「行き詰まり」が与党・共和党内からも指摘され、撤兵世論が高まる中で40%台前半までに下がり、それまでの最低をすでに記録していました。

 それでも「イラク戦争貫徹」を声高に唱えたブッシュ大統領は、同月末のハリケーン「カトリーナ」への対応で醜態をさらし、「いざというとき自分たちの安全を政府は守ってくれるのだろうか」という疑問を広範な国民の間に新たに引き起こしました。

 30%台に低下した支持率は、イラク問題に加えて米国民自身の安全保障という、より身近な課題で、ブッシュ大統領がいっそう窮地に追い込まれていることを示しています。(居波保夫)


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