2005年9月23日(金)「しんぶん赤旗」

大増税政治国民は反対

「蓄え崩すのがつらい」と署名

各地で行動始まる


 「生活も景気も破壊する消費税増税、庶民大増税は許さない」――消費税廃止各界連絡会は二十二日から、全国宣伝・署名統一行動を始めました。


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(写真)大増税許すなと宣伝・署名・対話する消費税廃止各界連の人たち=22日、東京都新宿区

 東京では各界連絡会と地域各界連が十カ所以上で宣伝・署名行動をしたのをはじめ、北海道、大阪、京都、兵庫、香川、佐賀などの各地で、各界連が行動をしました。統一行動は各地で二十六日まで行われます。

 署名した人からは、「小泉政権は、選挙の結果で、『国民が増税を認めたんだ』と言っていますがとんでもない。増税を望む人がいるわけがない」など厳しい声があがりました。

 東京都新宿区のJR新宿駅西口前では、消費税廃止各界連絡会に加盟する団体代表が訴えました。

 全国労働組合総連合の熊谷金道議長は「わずかな賃上げの一方での、大増税の押しつけは許すことはできない」と訴えました。全国商工団体連合会の国分稔会長は、政府の消費税税率引き上げにふれ、「弱い者がなくなり強いものが残る政治が続いている。このような政治に、断固として反対する」とのべました。

 日本共産党の小池晃参院議員・政策委員長は、総選挙で国民が増税に信任を与えたものではないとし、「庶民からとるのでなく、史上空前のもうけをあげている大企業と高額所得者に社会的責任を果たさせることだ」とのべ、大増税計画をやめさせるため、国会で全力をあげる決意をのべました。

 署名に応じた渋谷区在住の女性(77)は、一人暮らしで、収入は国民年金と厚生年金あわせて月七万五千円。「食べるものも着るものもぜいたくをせず、つましく暮らしています。でも医療費とかで、わずかな蓄えを少しずつ崩さなければならないのがつらい」とこぼしていました。

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■各紙誌も「公約違反だ」

 総選挙中は「『サラリーマン増税』を行うとの政府税調の考え方はとらない」(自民党の政権公約)といっていた小泉与党。選挙が終わるやサラリーマン増税や消費税増税の具体化に走り出し、商業メディアからも「公約違反だ!」との批判が出ています。

 年収五百万円のサラリーマン世帯(専業主婦の妻と子ども二人の四人家族)の場合、サラリーマン増税と消費税の10%への引き上げが実施されると年約五十五万円もの増税になります。

 選挙中は小泉首相も郵政民営化一本やりだったのに、選挙後の記者会見で谷垣禎一財務相は「(与党大勝の選挙結果の背景に)多くの国民のなかに、増税も必要じゃないかという気持ちもあった」(十三日)として、定率減税の全廃や消費税率の引き上げに言及しました。

 これには「自民党は総選挙の政権公約で『サラリーマン増税』を否定しており、批判も出そうだ」(「朝日」十四日付)、「やっぱり出てきた消費税アップ/谷垣暴言『増税は国民も認めている』」(「日刊ゲンダイ」十五日付)、「谷垣財務相『定率減税を廃止』宣言は公約違反だ!」「法人税減税は財界の言いなり」(『週刊ポスト』三十日号)―などの批判が商業メディアにも広がっています。


 ▼サラリーマン増税 サラリーマンなどを直撃する増税のこと。政府税調(首相の諮問機関、石弘光会長)は今年六月にまとめた個人所得税の「論点整理」で、定率減税の廃止のほか、給与所得控除、配偶者控除、扶養控除についても「見直し」(縮小・廃止)を打ち出しました。石会長は「サラリーマンに頑張ってもらうしかない」と発言。「サラリーマン増税だ」との批判が起きました。政府税調は、すでに消費税率の二ケタ化(10%以上)を小泉首相に答申していました。


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