2005年9月29日(木)「しんぶん赤旗」

郵政 増税

小泉首相の“国民だまし”ただす

志位委員長が代表質問

定率減税廃止で首相

「サラリーマン増税でない」


 日本共産党の志位和夫委員長は二十八日、衆院本会議で代表質問に立ち、庶民大増税、郵政民営化、イラク派兵、憲法九条改定など、国政の基本問題で小泉首相の姿勢をただしました。


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(写真)代表質問に立つ志位和夫委員長=28日、衆院本会議

 志位氏は、自民党の「政権公約」が「『サラリーマン増税』を行うとの政府税調の考え方はとらない」と明記していたことに照らして、投票日翌々日に谷垣禎一財務相が定率減税の廃止方針を表明したことは、「文字通りの公約違反だ」と迫りました。政府税調の方針の冒頭に定率減税廃止があるからです。

 首相は、「定率減税は、サラリーマンのみならず、すべての所得税納税者を対象とするもの」という論法で、「サラリーマン増税とは異なるものと考えている」と答えました。

 郵政民営化問題で志位氏は、首相が総選挙で、「民営化すれば公務員が減らせる」「税金を払うようになる」と繰り返してきたことを指摘。(1)郵政事業には国民の税金が一円も使われていない(2)公社のままでも利益の半分は国庫に納付する仕組みになっていること――の二つの事実を国民に語ったのか、もし語っていないとすれば、国民をあざむいたことになると迫りました。「真実を語らず、真相を隠し、それでも自公の得票は半数に満たなかった。この選挙結果をもって法案をゴリ押しすることは許されない」と強調しました。

 首相は「郵政公社は、固定資産税や預金保険料などを民間と同じようには納付していない。民営化すれば、法人税も期待できる」と選挙中と同じ議論を蒸し返すだけで、国民に真実を隠したことを否定できませんでした。

■志位委員長、首相答弁を批判

 日本共産党の志位和夫委員長は二十八日、衆院本会議での小泉首相の答弁への感想を記者団に聞かれ、「『所得税・住民税の定率減税の廃止は自営業者も増税になるのでサラリーマン増税ではない。だから廃止しても公約違反ではない』という答弁で、驚くべき国民だましの立場があらわになった」とのべました。

 志位氏は、「大問題となった政府税調『論点整理』の冒頭にあるのが定率減税の廃止だ。だいたい定率減税廃止によって大きな打撃を被るのはサラリーマンであることは明らかだ。年収四百万―九百万円の層は、住民税・所得税で払う額が二割以上ふえる」と指摘。「総選挙であれだけ『やらない』と約束したサラリーマン増税とは何かということが問われてくる。数のおごりが、こういうところにも現れている」とのべました。

■質問のポイント

▼郵政民営化

 自民、公明の小選挙区の得票は49%にすぎず、民営化が多くの国民の信任をえたとはいえない。首相は、民営化による公務員削減や税収増を強調したが、郵政事業に国民の税金は使われておらず、公社の利益の半分は国庫に納付する仕組みになっている事実を国民に一度でも語ったことがあるか。民営化が日米大銀行などの要求ではじまった真相も隠しつづけたのではないか。まともな審議ぬきにゴリ押しすることは許されない。廃案を求める。

▼障害者「自立支援」法案

 定率一割自己負担導入で、共同作業所などを利用すると工賃を上回る料金負担がのしかかる。障害者の自立を妨げ、生きる権利を奪うもので、断念すべきだ。

▼庶民増税

 財務相が表明した定率減税廃止方針は、自民党がやらないと公約した「サラリーマン増税」ではないか。公約違反だ。なぜ大企業、大金持ち減税には手をつけないのか。少なくとも期限切れを迎える研究開発減税、IT減税の大企業優遇税制は打ち切るべきだ。

▼イラク派兵

 イラク情勢悪化の根本原因は軍事占領と米英軍による掃討作戦だ。期限をきめた占領軍の撤退と自衛隊のすみやかな撤退こそ必要だ。

▼憲法問題

 憲法九条のどこをどう変えるのか。海外での武力行使はできないとの建前を突破するのか。九条を変え、日本を「海外で戦争をする国」にしてはならない。


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