2005年10月1日(土)「しんぶん赤旗」
改悪介護保険法きょうから実施
施設の食費・居住費全額負担に批判
“入所むり”“利用減らす”
自民・公明与党と民主党の賛成で成立した改悪介護保険法の一部が十月から実施されます。介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)の食費・居住費、短期入所の食費・滞在費、通所介護・通所リハビリの食費が保険給付の対象から外れ、全額自己負担になります。年間三千億円の国民負担増です。
居住費・食費の負担額は、各施設と利用者の契約によることが原則となります。所得の低い人(世帯全員が住民税非課税)には国が定めた基準額に基づく軽減措置(補足的給付)がありますが、それ以上の所得の人の負担額は、実質的に青天井です。国基準より高額を徴収できる住民税課税世帯の人を入所させた方が施設の経営上有利となり、低所得者がいっそう入所しにくくなる可能性があります。
低所得者には軽減措置がありますが、市町村に申請して負担限度額認定証を受けなければなりません。軽減されても年金八十万円を超える人は相部屋の特養ホームで月一万五千円の負担増です。
利用者・家族からは、「老健施設で月三万円も負担が増え、退所せざるを得ない」「デイサービスの食費が増え、週三回を一回に減らす」などの声が各地で出ています。
このなかで、東京・荒川区、同千代田区、同港区、長野・松本市、同豊丘村では自治体独自の負担軽減措置の実施に踏み出しました。その多くで日本共産党の地方議員が繰り返し議会で追及、答弁を引き出すなど奮闘しています。日本共産党国会議員団も負担増の中止や国の負担軽減措置対象者を把握し、軽減を速やかに実施することなどを尾辻秀久厚生労働相に申し入れ、自治体の軽減措置に干渉しないとの回答を得ました。岡山県や石川県では党議員が負担増の影響調査を当局に約束させました。