2005年10月2日(日)「しんぶん赤旗」
石綿露出民間で6800棟
国交省調査
大阪は最多の600棟
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アスベスト(石綿)が天井や柱などに吹き付けられ露出した状態のオフィスビルやマンションなど民間建築物が全国で少なくとも六千八百三十八棟にも達することが、一日までの国土交通省の調べで分かりました。
発がん性があるため、吹き付けアスベストは一九七五年に原則禁止(石綿含有率5%以上)されましたが、使用が確認された建物の吹き付け撤去などはされませんでした。八七、八八年に学校や教育関連施設での吹き付けアスベストの使用が社会問題になってから国は十数年も対策をとらず、問題を放置してきました。
調査対象は、建材へのアスベスト吹き付けが増えた一九五六年から八○年までに建てられた延べ床面積千平方メートル以上の大規模建築物約十四万棟で、二十七日までに都道府県を通じて報告があったのは、半数の約七万七千棟です。
アスベストが露出していた建築物を都道府県別にみると、大阪府が六百四十二棟で最も多く、福岡県四百三十三棟、兵庫県三百五十三棟、長野二百九十九棟、北海道二百六十七棟、神奈川二百四十四棟、茨城二百三十六棟、千葉二百三十五棟、富山二百二十五棟、群馬二百十四棟などとなっています。
一方、すべての官庁関連施設を対象とした調査では二十七日現在、約八万四千棟のうち千二十一棟で吹き付けアスベストの使用を確認。うち三百十九棟が、封じ込めなどの飛散防止対策を実施済み。約四万団地の約二十五万棟を対象とした公営住宅の調査では、二百四十三団地八百九十四棟でアスベストを確認、うち対策を完了していない建物は八団地八棟となっています。同省は今後も調査を継続、八〇年以降に施工された建物についても調査を進め、順次結果を公表する方針です。