2005年10月4日(火)「しんぶん赤旗」

沖縄・普天間基地の「移設」

どれも県内たらい回し

住宅地により接近

衆院委で赤嶺議員 解決は撤去しかない


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の「移設」問題が、在日米軍再編の日米協議で大きな焦点になっています。日本共産党の赤嶺政賢議員は三日の衆院予算委員会で、とりざたされているどの「移設」案も県内たらい回しだと批判。「普天間基地は即時閉鎖し、撤去すべきだ。県内移設を絶対に県民に押しつけるべきではない」と迫りました。

 日米両政府は、一九九六年の沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、普天間基地の代替新基地を本島東海岸沖に建設することで合意。九七年の市民投票で新基地反対の意思が示されたにもかかわらず、名護市辺野古沖への建設を推進してきました。

 しかし同計画は、地元住民をはじめ根強い反対を前に行き詰まり、在日米軍再編の日米協議のなかで新たな「移設」先が検討されていると報じられています。

地図

 その「移設」先としてとりざたされているのが、米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市など)の陸上案と、現行の辺野古沖のより浅瀬部分に規模を縮小した形で建設する案(辺野古縮小・浅瀬案)の二案です(地図)。

 赤嶺氏は、九七年の市民投票で、辺野古沖案を宣伝した政府発行のチラシを示しました。

 チラシは「『海上につくる』 これは飛行場周辺に住んでいる方々の安全と生活環境の保全を最優先に考えたひとつの結論です」と強調。住宅地から離れているため、「安全性が格段に向上」「騒音問題も発生いたしません」と明記しています。

 赤嶺氏は、「この立場は変わったのか」と追及。陸上案も辺野古縮小・浅瀬案も「当時いわれていた安全や騒音に配慮するといった、(かつての)あなた方の基本的立場とはまったく違う案だ。より民間地に接近したものを押しつけようとしている。これが『負担軽減』なのか」と批判しました。

 大野功統防衛庁長官は新たな「移設」案を検討していることを認めた上で、赤嶺氏が指摘したチラシでの主張について「昔あったと思う」としながらも、「(協議中のどの案も)安全、騒音を十分考えてやっている」と答弁しました。

グラフ

 赤嶺氏は、地元紙の世論調査(グラフ)でも多くが“米国への移設”を求めていることをあげ、「普天間基地の問題の解決は、撤去以外にない。弱腰にならず、アメリカときちんと交渉せよ」とのべました。


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