2005年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
首相参拝しない誓約を
靖国違憲判決でアジア各紙
小泉首相の靖国神社参拝は「憲法違反」とする九月三十日の大阪高等裁判所判決を東南アジアや香港の新聞は大きく伝え、小泉首相に対し、判決にもとづき靖国神社に参拝しないと誓約するよう求めています。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト一日付は、一面トップで「日本の高等裁判所、小泉の靖国神社参拝は宗教と国家の分離を定めた憲法に違反すると判決」と報道。翌二日付に、「小泉は自分の行動を考え直す必要がある」と題する社説を掲載しました。
同社説は、小泉首相が判決について「どうして憲法違反なのか理解に苦しんでいる」とのべたことにふれ、次のように厳しく批判しています。
「彼の反応では、中国での反日感情はおさまらないだろう。判決を無視して靖国神社を再び参拝し、反日感情を悪化させる危険をあえて冒そうとしているようで、挑発的だ。小泉氏は、近隣諸国との関係改善に鈍感だということを改めて示した」
「日本は反戦の立場を後退させてきた。米国主導の占領支援のためにイラクに派兵し、平和憲法を改定しようとしている。小泉首相がもう参拝しないと言明しない限り、(日本の)外交や交渉をめぐる環境は良くならないだろう」
シンガポールでも中国語紙聨合早報五日付が、「小泉は、司法と政治からの挑戦に直面」と題する論評記事を掲載。「小泉氏は、靖国神社参拝問題で、他国から『干渉される理由はない』と開き直ってきたが、違憲判決はそれを裁いた」と指摘。マレーシアの中国語紙南洋商報六日付の論評記事は、「小泉氏には首相として憲法や法律を守る義務がある。靖国神社参拝をやめて侵略戦争への反省と謝罪、賠償を行動で示すべきだ」と求めています。