2005年10月12日(水)「しんぶん赤旗」

郵政法案、衆院で可決

笠井氏が反対討論 「世界の流れに逆行」


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(写真)反対討論する笠井亮議員=11日、衆院本会議

 政府が再提出した郵政民営化関連六法案が十一日の衆院本会議で採決され、自民、公明などの賛成多数で可決、参院に送付されました。民主、共産、社民と国民新党、新党日本は反対しました。先の通常国会で同法案に反対し自民党復帰を拒否されている無所属議員十二人中、平沼赳夫議員を除く十一人が賛成。採決結果は賛成三百三十八、反対百三十八でした。

 日本共産党の笠井亮議員は反対討論に立ち、「わずか一日半という審議で押し通すなど断じて容認できない」と与党の横暴を批判。世界で基礎的な金融サービスを公的にどう保障するかが問われているなか、日本では国の責任を放棄し民間任せにしようとしている愚行を「世界の流れにも時代の流れにも逆行する」とのべました。

 さらに郵政民営化は国民が求めているのではなく、郵貯・簡保三百四十兆円の開放をビジネスチャンスとして要求してきた日米の金融資本にこたえるものだとして、国民にとって「百害あって一利なし」の法案への反対を表明しました。

 民主党は政府案に反対する討論で「小泉総理のいう『官から民へ』に異論はないが、政府案は民営化の名に値しない」として、郵便貯金の定額貯金廃止、預入限度額引き下げや簡易保険廃止により政府案以上に国民資産を市場に開放することを主張。民主党の案は同党のみの賛成少数で否決、廃案になりました。

■民主は採決同意

 十一日は朝から法案採決をめぐる動きが慌ただしく続きました。

 与党側は同日朝の衆院郵政民営化特別委員会理事会で法案採決を初めて正式に提案。日本共産党の塩川鉄也議員は「世論調査でも慎重審議を求める声が多数であり、採決には反対だ」と質疑の継続を求めましたが、民主党は「強く反対はしない」「(総選挙で)民意が議席にあらわれた。苦渋の選択だ」として採決に同意しました。

 その結果、郵政民営化法案は午前中の同特別委で可決され、午後の本会議に緊急上程されました。


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