2005年10月12日(水)「しんぶん赤旗」

郵政民営化法案に対する

笠井議員の反対討論(大要)


 十一日の衆院本会議で日本共産党の笠井亮議員が行った郵政民営化関連法案に対する反対討論(大要)は次の通りです。

 小泉首相が郵政民営化一本に絞って国民に賛否を問うた先の総選挙で、与党の得票は小選挙区で過半数に至りませんでした。国民投票なら明確に否決です。しかも首相は、郵政公社には一円の税金も投入されていないことなど、重要な基本的事実を国民にまったく語ってこなかったのです。

 ところが、与党の議席の多数をもって信任されたと強弁し、わずか一日半というきわめて短い審議で押し通すなど、断じて容認できません。

 法案に反対する最大の理由は、国民に基礎的な金融サービスをあまねく公平に提供する国の責任を放棄するものだからです。貯蓄や決済など基礎的な金融サービスを受けることは国民の権利です。郵便局は障害者対応のATM(現金自動預払機)を100%設置し、口座維持手数料も取らず、すべての市区町村に金融ネットワークを張り巡らせ、この権利を保障してきたのです。

 いま世界では、この基礎的な金融サービスを公的にどう保障するかが問われています。アメリカで低所得者層の38%、イギリスで五世帯に一世帯が銀行口座を持てず大きな社会問題となっています。ニュージーランドでは公営のキウイ銀行が新たにつくられ、郵便局のなかに復活するなど、各国でも新たなとりくみが始まっています。

 ところが日本では反対に国の責任を放棄し、民間任せにしようとしているのです。郵政民営化は、世界の流れにも時代の流れにも逆行する愚行そのものといわなければなりません。

 そもそも郵政民営化は国民が求めているものではありません。郵貯・簡保三百四十兆円の開放をビジネスチャンスとして要求してきた日米の金融資本にこたえるものにほかなりません。まさに国民にとっては「百害あって一利なし」、断固反対を表明して討論を終わります。


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