2005年10月13日(木)「しんぶん赤旗」
郵政民営化
資金は“民から官へ”
衆院委 佐々木議員が虚偽指摘
「資金の流れは、官から民ではなく、民から官がいっそう強まる」―日本共産党の佐々木憲昭議員は十二日の衆院財務金融委員会で、郵政民営化をすれば、資金の流れが変わり経済が活性化すると説く小泉内閣の虚偽を批判しました。
佐々木氏がまず示したのは、一九九五年三月末から二〇〇五年三月末まで十年間の銀行(国内)資金の流れ。銀行の貸出残高が約百十兆円減少する一方で、国債・地方債の保有残高は七十三兆円増加し、十年で三倍近くにも膨れあがっています。財政赤字があるため「民」から「官」に資金が流れているのです。
全体の資金の流れでも、二〇〇三年度には六百五十兆円、郵政完全民営化の時期とされる二〇一七年度にも九百五十兆円が「民」から「官」へ流れます。小泉内閣の言い分とはまったく逆の流れになります。(政府の経済財政諮問会議に提出された資料により試算=図)
谷垣禎一財務相は「そういうすう勢がある」とのべ、郵政民営化後も、資金の流れが「民」から「官」への傾向を強めることを認めました。
その上で、佐々木氏は「公社の支えがなくなれば、国債の消化に重大な障害が発生し、財政負担が急増することもある」と指摘しました。
佐々木氏は、「官」に資金が流れる要因は、内需の冷え込みで民間の資金需要が低迷する一方で、国債の発行残高がこれからも増え続けるためだと強調。「資金の流れを変えるというのなら、郵政民営化ではなく家計をあたため民間の資金需要を拡大するとともに、無駄遣いにメスを入れ不公平税制を是正して国債の増発を抑える方向に政策を転換させるしかない」と主張しました。