2005年10月14日(金)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」強制とても考えられない
国連子どもの権利委員長 石井副委員長に語る
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日本共産党の石井郁子副委員長・衆院議員は十三日、来日中の国連子どもの権利委員会のヤープ・ドゥック委員長と懇談。日本の子どもの置かれた現状について意見を交換、子どもの人権が侵害されていることを憂慮し、事態打開に向けて協力していくことを確認し合いました。
懇談の中で石井議員は、東京都教育委員会が学校現場で「日の丸」の掲揚や「君が代」の斉唱を強制し、従わない教師を処罰していることを指摘。「教育の場には命令や強制はあってはいけないもの。しかも、日の丸は侵略戦争のシンボルとされてきたし、君が代を歌いたくないという子どももいるなかで、押しつけるのはおかしいと訴えている」と述べました。
これに対してドゥック委員長は「私の国、オランダではとても考えられない」と繰り返し発言。「私は自分の国を大事に思っているし、女王が百年も治めている国。でも、国民に何かを押しつけるということは考えられないし、それでは本当に国を愛する気持ちは育てられない」と語り、「学校で国旗・国歌を押しつけるというのは許されないことだ」と表明しました。
石井議員は「日本政府は侵略戦争の反省をきちんとしないまま、こういう問題を起こしている」と発言。ドゥック委員長は「大事なのは、国旗や国歌を押しつけることではなくて、暗い時期も明るい時期も含めて歴史をきちんと教えることではないか」と語りました。
また、過度に競争的な教育の異常さや子どもの意見表明権の実情、児童虐待・少年犯罪への対応策について懇談。ドゥック委員長も、日本政府がすすめる厳罰主義ではなく、「さまざまな社会的サポートが必要だ」と強調しました。