2005年10月16日(日)「しんぶん赤旗」

教科書考えるシンポ

採択制度改善が急務

東京


 「子どもと教科書全国ネット21」などが呼びかけた第七回教科書を考えるシンポジウムが十五日、東京都内で開かれました。教師、出版関係者、市民、研究者ら約八十人が参加。今夏におこなわれた教科書採択について報告しあい、議論しました。

 同シンポジウムの世話人の一人で歴史教育者協議会委員長の石山久男さんが開会あいさつ。現場教師の意見が反映されず、少数の教育委員による多数決で教科書が決められることがさまざまな問題を起こしていると指摘。「教科書制度の改善は急務」とのべました。

 東京の理科の中学校教師は現場の立場から現状を報告しました。校長から推薦された教師が調査委員となっているがその意見は十分反映されず、調査項目も限定されていて、子どもにとってよい教科書を選ぶものになっていないことを紹介。以前の採択では親も参加して子どもが教科書についてどう考えているか意見を出していたことをあげ、教師が親や市民の中にこの問題での対話を広げていくことの大切さを強調しました。

 東京・杉並区の区民は、区長の政治的思惑と政治的圧力で侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書が採択された経過を報告。出版労連は「つくる会」が政治家を使って採択を狙う動きをいっそう強めていると指摘。教科書会社の営業担当者の多くが、自分たちの教科書のよさをきちんと現場の教師に説明したいと考えていることなどが報告されました。


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