2005年10月17日(月)「しんぶん赤旗」
小泉内閣の増税を批判
市田書記局長 テレビ番組で討論
日本共産党の市田忠義書記局長は十六日のテレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」に出席し、各党幹事長とともに増税問題について討論しました。
番組では、司会の田原総一朗氏が「(所得税、住民税の)定率減税廃止が問題になっているが、国民年金(料)の引き上げ、配偶者控除のうわ乗せ廃止など、すでに増税が行われている」と一覧表を示して、「これは増税とはいわないのか」と自民党の武部勤幹事長、公明党の冬柴鉄三幹事長にただしました。
両氏は、「社会保障予算を破たんに追いこまないために」などとまともに答えることができませんでした。
市田氏は、「それを増税といわずに、なにを増税というのか」と指摘。「サラリーマン増税はやらないといっておきながら、定率減税の廃止はサラリーマンだけがかぶるのではないからサラリーマン増税ではないというのは詭弁(きべん)だ」と選挙後に定率減税廃止をうちだした小泉内閣を厳しく批判しました。
さらに市田氏は定率減税廃止について、「景気が回復したから廃止するというが、同時に行った法人税減税と所得税・住民税の最高税率引き下げは廃止しないのか」と指摘。司会の田原氏も「その問題はみんな感じている」とのべました。
市田氏は、「日本企業の税・社会保障負担は諸外国と比べても低い。大企業には八十二兆円もの剰余金があり、そこに税金をかけるとは一切いわない」と厳しく指摘しました。
■米BSE問題 圧力に屈するな
米国産牛肉の輸入再開問題が、十六日のフジテレビ系番組「報道2001」で議論になり、自民党の武部勤幹事長は、「全頭検査は世界の常識と離れている」とのべるとともに、米牛肉の安全性について審議している食品安全委員会プリオン専門調査会の「(審議の)スピードが少し遅い」と注文をつけました。
この問題について市田氏は、米通商代表部の日本担当者が“安全委員会に懸命に圧力をかけつづける”と下院で証言していること、米駐日大使が“米議会と国民の堪忍袋の緒は切れかかっている”として制裁についても言及していることを紹介。日本では生まれてから食品になるまでのデータが全頭あるのにアメリカにはなく、二十カ月以内の牛は安全といっても、米では二十カ月かどうかは目で判断、危険部位除去も確実性がないことを指摘し、「アメリカの圧力に負けないで全頭検査はつづけるように主張すべきだ」とのべました。