2005年10月17日(月)「しんぶん赤旗」

アスベスト被害に抗議

パリで4千人がデモ

補償と司法捜査求め


 【パリ=浅田信幸】パリで十五日、アスベスト被害の補償と司法捜査を求めるデモがおこなわれ、「汚染者を裁け」と書かれた横断幕を先頭に約四千人(主催者発表)が市内を行進しました。

 デモには車いすで参加した人や、酸素ボンベを持った人の姿もありました。北フランスの港湾都市ダンケルクから参加したアメルさんは昨年、夫をアスベストによるがんで亡くしました。「使用者は(アスベストの有害性を)知っていたし、医師も知っていた。彼らは労働者を死に追いやった」とAFP通信に語りました。

 アスベスト使用問題ではフランスでも行政と企業による対応の遅れが問題になっています。一九七〇年代後半にはその有害性が明らかにされていましたが、使用が禁じられたのは二十年もたった九七年一月からでした。

 九月半ばに議会の調査委員会が明らかにしたところでは、アスベスト被害による死者は年三千人にのぼり、二〇三〇年までに五万ないし十万人に達すると予測されています。

 アスベストを使用して労働者を働かせた企業にたいしてはこれまで「重大過失」を認める判決が出ていますが、この日の行動を呼びかけたアスベスト被害者の会は司法捜査の「遅れ」を告発し、公共衛生部門にもっと人と予算を割くよう要求。またすでに存在するアスベスト被害補償基金による補償額の引き上げも求めています。


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