2005年10月18日(火)「しんぶん赤旗」

靖国参拝　アジア各国で批判

韓国　日本大使館前で抗議

　アジアをはじめ各国の報道機関や世界的通信社は十七日、小泉首相の靖国神社参拝をただちに報道。軍国主義の象徴への参拝は「隣国を激怒させる」「違憲判決や隣国の反対を無視」などと伝えました。

　小泉首相が十七日に靖国神社参拝を強行したことに対し、韓国では市民団体から強い非難が相次いでいます。一部の市民団体はソウルの日本大使館前で抗議行動を行い、「靖国神社参拝を糾弾する」「軍国主義の復活を止めよう」と書かれたプラカードを掲げました。

　太平洋戦争犠牲者遺族会は「靖国参拝について小泉首相は口では平和を語るが、実際は自国内での人気取りのため」だと指摘。小泉政権が「新軍国主義と軍事大国化」の道を進んでいるとして、「周辺国は憂慮すべきだ」と警戒を呼び掛けました。

　アジア平和と歴史教育連帯（日本の歴史教科書を正す運動本部）は「日本の裁判所が違憲判決を出したにもかかわらず参拝を強行したことは、政治的な意図がある」とし、「韓国政府は強い対応策を取るべきだ」と求めました。

　元「慰安婦」の支援団体である韓国挺身（ていしん）隊問題対策協議会は、「靖国参拝によって小泉首相は『井戸の中のかわず』にすぎないことを示した」とし、「いまだに戦争被害者に対する反省がまったくない姿を見せている」と批判しました。