2005年10月18日(火)「しんぶん赤旗」
“靖国は軍国主義の象徴”
東南アジア・香港も警戒
東南アジアや香港のメディアは十七日、日本の小泉首相が五度目の靖国神社参拝を強行したことを速報し、強い警戒心を表明しています。
マレーシアの中国語紙星州日報(電子版)は、「小泉純一郎 靖国神社参拝くりかえす」の見出しで報道。「日本の大阪高等裁判所は九月三十日、小泉氏の靖国神社参拝は公人としての行為であり、憲法が定めた政教分離の原則に違反するとの判決を下している」と伝えています。
また、日本に対する戦争賠償要求などを行っているマレーシアの中国系団体「日本占領期殉難同胞作業委員会」は同日、「A級戦犯を祭る靖国神社への参拝は、日本国憲法が定める政教分離の大原則に反するのみならず、戦犯の罪に勝るとも劣らぬ罪に当たる」との抗議声明を発表しました。
シンガポールの中国語紙聯合早報(電子版)も、「靖国神社は日本のかつての軍国主義の象徴といわれており、彼の行動は、日本の隣国を怒らせるに違いない。靖国神社は、すでに、日本の右翼勢力の精神的支柱と集会の場となっている」と指摘しています。
香港ではニュース専門のケーブルテレビ局が、中国の有人宇宙船「神舟6号」が帰還した様子を繰り返し伝えるなか、臨時ニュースの形で小泉首相の靖国神社参拝を伝えました。中国語紙明報(電子版)も、「小泉首相は、アジアの隣国の反対を無視し、A級戦犯が祭られている靖国神社に参拝した」と報じています。