2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」

被爆60年10・18集会

志位委員長のあいさつ(大要)


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(写真)あいさつする志位和夫委員長=18日、東京

 「被爆六十年 10・18大集会」での日本共産党の志位和夫委員長のあいさつ(大要)を紹介します。

 みなさんこんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党を代表して連帯のごあいさつを申し上げます。

■60年におよぶ被爆者のたたかいの歴史的役割

 この六十年間、多くの被爆者のみなさんは、世界のどこにもヒロシマ、ナガサキをくりかえさせてはならない、二度とふたたび被爆者をつくってはならないと決意し、つらい体験を語り続けてこられました。

 被爆者のみなさんの訴えは、原爆をその身をもって体験した人でしか言えない、深い力をもって、日本の多くの人々と、そして世界の人々の心をゆさぶっています。

 みなさんのたたかいが果たしてきた歴史的役割はきわめて大きなものがあると思います。

 何よりも、平和を願う多くの人々と力をあわせて、核戦争の危険をはばんできた。広島、長崎を最後に、その後六十年間、人類の頭上に一発も核兵器を落とさせないできた。これは、たいへん大きなことだと思います。そして核兵器廃絶の世界の流れをつくりだしてきた。その先頭に被爆者のみなさんのたたかいがありました。私は、六十年におよぶみなさん方のたたかいに、心からの敬意を申し上げたいと思います。(拍手)

■原爆症の認定行政の抜本的改善を

 私はこちらにうかがうさい、さきほどのスライドでも紹介されておりました、みなさんがとりくんでおられる原爆症認定集団訴訟の原告のみなさんの証言を読ませていただきました。

 そこには、家族を原爆で失い、戦後長い間原爆による障害に苦しみ、病気がちな体にむち打って生きてこられた被爆者の方々の痛切な訴えがのべられています。戦後六十年たってなお原爆被害によって苦しめられている現実を、政府にすみやかに、しっかりと認めさせる、このことは急務であるということを改めて痛感しました。(拍手)

 この間の経過をみますと、被爆者のみなさんの長い間の原爆症認定問題の訴訟で、政府は七回の判決で負けつづけています。そして、政府の認定が、いかに被爆の実態を無視したものであるかが、くりかえし司法の場で断罪されています。

 にもかかわらず認定行政の改善にとりくもうとしないばかりか、より悪くする方向での動きが伝えられています。この認定行政を実態にそくしたものに抜本的に改善するために、私たちもみなさんと力をあわせてがんばりぬくことをお約束します。(大きな拍手)

■核兵器廃絶の流れは逆流をのりこえて広がっている

 世界をみわたすと、アメリカのブッシュ政権は、「使いやすい」核兵器を開発し、核兵器の先制使用の戦略をつくり、国際的なとりきめも、国連も無視して、核抑止力論に固執する姿勢を強めています。

 唯一の被爆国であるわが国の政府が、核兵器の緊急廃絶という課題で世界の流れのなかで本来先駆的役割を果たすべきなのに、それができていないというのは、私はなさけない政府だといわねばなりません。(大きな拍手)

 しかし、核兵器廃絶を求める世界の流れは、逆流をのりこえて、さらに発展しています。その流れは、被爆六十周年をむかえた広島・長崎で、両市の市長さんが読み上げた平和宣言にも示されました。

 それはまた、広島・長崎でおこなわれた平和市長会議、パグウォッシュ会議、原水爆禁止世界大会に参加した、世界の多くの政府、自治体、科学者、NGO(非政府組織)の代表などの声にも、力強くしめされました。

 世界の圧倒的多数の国々、また圧倒的多数の人々が、期限を区切った核兵器廃絶を求めています。この力をさらに強め、核兵器のない世界を二十一世紀の早い時期に実現するために力を合わせてともにがんばりましょう。(大きな拍手)


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