2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」
靖国参拝 各国から批判
英紙 近隣諸国の関係悪化
【ロンドン=岡崎衆史】小泉首相の靖国神社参拝について、英国メディアは参拝が日本と中国など近隣諸国の関係を悪化させると報道しています。
フィナンシャル・タイムズ紙十八日付は、参拝が「中国と韓国の怒りを引き起こしている」と指摘。中国や他のアジア諸国で一連の反日抗議行動を引き起こした今年四月以来、「参拝は日本の近隣諸国との関係を最も深刻に脅かすものとなる」と述べました。
同紙は、靖国神社が十四人のA級戦犯をまつっていることを指摘するとともに、「多くのアジア諸国が神社は日本の戦時中の残虐行為への謝罪拒否を示す象徴だと主張している」ことを紹介しています。
ガーディアン紙十八日付も参拝が、中国と韓国の怒りを招いていることを指摘するとともに、中国については、「いっそうの関係悪化を進めることが予想される」と指摘しました。
■東アジアに荒波
■ベトナム各紙
【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナム各紙は十八日付でいっせいに小泉首相の靖国神社参拝を外電を使った客観報道として伝えました。
ベトナム共産党中央機関紙ニャンザンは国際面トップで「日本首相また靖国神社参拝」の見出しで報道。同党ホーチミン市委員会紙サイゴン・ザイフォンも国際面で「小泉日本首相が五回目の靖国神社参拝」と報道しました。同党ハノイ市委員会紙ハノイ・モイは「中日首脳会談開催への努力が袋小路に」との見出しで、ハノイ紙アンニン・トゥドーは「東アジアに荒波」との見出しで報じています。
■関係各国と対話で解決を
■米国務省報道官
【ワシントン=鎌塚由美】米国務省のマコーマック報道官は十七日、小泉首相の靖国神社参拝で近隣諸国から批判が上がっていることについて、関係各国が対話で解決するよう希望すると述べました。
同報道官は、中国や韓国からの批判について、「歴史問題」が「懸念の根拠であることは理解している」と述べながらも、「域内諸国の良好な関係はお互いの利益だ」とし、「この観点から、いかなる懸念事項も、協議、敬意をもった対話で解決していけると期待する」と表明しました。