2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

アスベスト問題 共産党はどうしていた?


 〈問い〉 アスベストの危険性は20年以上前から指摘されていたとテレビで知りました。この間、日本共産党はどうしていたのですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 アスベストによる健康被害については、ILOが1972年に発がん性を認定するなど、70年代から危険性が知られていました。イギリスとドイツが86年、フランスが88年に全面ないしは原則使用禁止の措置をとっています。

 日本では、同じ時期から健康被害を知りながら、原則禁止としたのが95年と大幅に遅れることになりました。

 それは、「管理を徹底して使用すれば、飛散はないし被害はでない」として、企業は大量のアスベストを製造・使用等を行い、行政はずさんな管理使用を放置してきたからです。

 マスクなどの曝露(ばくろ)防止のない中で作業し工場外への飛散防止策がないまま製造・使用等が行われてきた結果、労働者本人だけではなく、家族、周辺住民まで深刻な健康被害を引き起こすことになりました。関係企業と国の責任は重大です。

 日本共産党は、70年代から一貫して国会質問等でも取り上げ、労働者の健康被害や環境対策を追及してきました。

 例えば、72年の衆院科学技術振興対策特別委員会で山原健二郎議員が大阪の泉南地区紡績工場での肺がんの多発を明らかにし、健康診断等の必要性を質問したのに対して、政府は一般住民対策の必要性を答弁しています。この質問については、今年7月21日付「朝日」1面でも「周辺住民らへの影響の可能性を国が30年以上前に認識していたことを裏付ける」と書いています。

 その後も、77年浦井洋衆院議員、81年藤田スミ衆院議員、85年上田耕一郎参院議員、88年田中美智子衆院議員、92年西山とき子参院議員、00年大森猛衆院議員など、日本共産党の28人の国会議員がアスベスト問題の重要な節目に、政府を追及してきました。

 とくに、92年の西山参院議員の質問では、「アスベストの使用の禁止というのは世界のすう勢になっている」と強調し、「製造、使用を抜本的に規制する方向を打ち出すべき」だと政府に迫っています。

 今回、問題となってるアスベスト被害では7月14日、政府に対して7項目の緊急対策を申し入れ、8月31日にはアスベスト対策特別措置法案の大綱を発表しています。

 日本共産党は、政府と関係企業の責任と費用負担で、すべての健康被害者等の保護・救済、石綿の全面禁止、今後の健康被害拡大の防止対策などを図るよう政府に求めています。(佐)

 〔2005・10・22(土)〕


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