2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
米本土防衛のレーダー
防衛庁長官「配備検討も」
緒方議員批判
大野功統防衛庁長官は二十五日の参院外交防衛委員会で、米本土に向けて発射される大陸間弾道ミサイル(ICBM)を迎撃するための高周波移動式警戒レーダー(Xバンドレーダー)の日本配備について「検討する価値はある」と述べました。日本共産党の緒方靖夫議員に答えたもの。
日米両政府は、今月二十九日の発表を目指している在日米軍再編の「中間報告」に、「ミサイル防衛」(MD)分野での「情報共有」を盛り込む予定です。その一環として米政府は、ICBMを迎撃するため、Xバンドレーダーの日本配備を日本政府に打診し、青森県内の航空自衛隊基地への配備が検討されていると報じられていました。緒方氏の質問に対し、大野長官は「『ミサイル防衛』での情報共有をどうするか、米軍再編の中で協議になっている」と認めました。
政府が導入を進めている「ミサイル防衛」は、「日本防衛」を建前としています。緒方氏は「もっぱら米本土を防衛するためのレーダー配備は、これまでの政策判断を超えるのではないか」とただしました。
大野長官は「あくまで日本防衛のための情報共有だ。仮に米本土防衛のために情報が伝わっても何ら問題はない」と答弁。
緒方氏は「米本土へのミサイル対処のためのレーダーなら、(日本や極東の安全を守るという)日米安保条約第六条にも合致しない」と批判しました。