2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
女性天皇 結婚一時金 どう考える?
〈問い〉 貴党は天皇制に反対と知っていますが、象徴天皇制廃止には改憲しなくてはなりません。その上で、女性天皇制をどのように考えますか? また、紀宮様のご結婚によるお金の支給はどのように考えますか?(東京・一読者)
〈答え〉 日本共産党は綱領で、現行憲法の「全条項をまも」ることを明確にしています。その際、憲法の天皇条項については、「『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する」ことを提起するとともに、天皇制そのものについては、「一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだ」という方向を明らかにしています。
ご指摘のように、天皇制の問題で何らかの改変をおこなう時には、憲法改正を必要としますが、いまは、戦前のように天皇制抜きに、平和や民主主義の問題の解決ができないという時代とは、根本からちがってきています。憲法をめぐる中心課題は、第九条を変えようとするくわだてに反対し、現憲法を擁護することにあり、日本共産党は、当面、部分的であれ、憲法改正提起の方針はもちません。そのため、綱領では、天皇制廃止の問題については、「将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべき」問題、と規定するにとどめています。
女性天皇についてですが、天皇は男性でなければならないという合理的根拠はありません。女性天皇ということを含めた検討が議論されることについては賛成ということです。
皇族の女性が結婚して皇族の身分を離れ、独立するにあたっては、皇室経済法という法律の、「皇族であつた者としての品位保持の資に充てるために、皇族が皇室典範の定めるところによりその身分を離れる際に一時金額により支出するものとする」との規定に基づくものです。しかし、1億5000万円もの額を支出することは、国民の暮らしがたいへんになっている現状からみても、民主主義や人間の平等の原則にてらしても、問題といえます。(岡)
〔2005・10・26(水)〕