2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

市町村合併で設置の地域自治区とは?


 〈問い〉 市町村合併にともなって各地で、地域自治区というものができていますが、地域自治区とはどんなものですか。共産党はこれをどう考えていますか?(山梨・一読者)

 〈答え〉 地域自治区とは、04年5月の地方自治法の「改正」でできた制度で、「市町村長の権限に属する事務を分掌させ、及び地域の意見を反映させつつこれを処理させるため」に区域を分けて設けるものとしています。合併した市町村かどうかに関係なく、一般的な制度として、市町村が、条例で地域自治区を設置できるとされています。

 地域自治区には、事務所と、地域協議会が置かれます。地域協議会の構成員(任期は4年以内で条例で定める期間。無報酬とすることができる)は、市町村長の選任とされています。対象は、その「区域内に住所を有する者」で、構成員の定数は条例で定めるものとされています。

 地域協議会は、事務所の事務のほか、その区域にかかわる市町村の事務について、諮問に応じ、また意見をのべることができるとされています。

 地域自治区には設置期間の制限はありません。また、政令指定都市については、すでに区が設置されていますが、その区ごとに区地域協議会を置くことができるとしています。

 ただし、合併に際して地域自治区を設ける場合には特例があります。その内容は、(1)設置の期間を合併関係市町村の協議で定める、(2)旧市町村単位、(3)区長(特別職・任期は2年以内)を置くことができる、合併市町村長が選任する、(4)住居表示には地域自治区の名称を冠する、などです。

 地域自治区・地域協議会の権限は、限られたものです。住民票の交付など市町村の事務の一部を担う一方、独自の予算などは法の仕組みはなく、地域の意見を反映させることに重きが置かれています。

 日本共産党は、制度そのものに過大な期待はもてませんが、住民のかかわり方と活用次第では、住民自治を強めていくうえで役立ちうる面ももっていると考えています。(平)

 〔2005・10・29(土)〕


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