2005年11月1日(火)「しんぶん赤旗」

増税 改憲への布陣

第3次小泉改造内閣が発足


 小泉純一郎首相は三十一日、自民党役員人事と内閣改造を行い、第三次小泉改造内閣が発足しました。小泉首相が総裁任期の切れる来年九月の退陣を明言するもとで、内閣の要所に「ポスト小泉」候補と目される人物を配置。庶民大増税、改憲をはじめ反国民的な「改革」路線の継承を競わせる布陣となりました。


 内閣のかなめである官房長官には、現行憲法を「戦後の呪縛(じゅばく)」と敵視し改憲を主張するタカ派の安倍晋三幹事長代理を抜てき。安倍氏は、記者会見で靖国参拝について「今までの気持ちをもちつづけたい」と参拝の意向を示唆しました。

 外相には、朝鮮民族の創氏改名を「朝鮮の人が名字をくれといった」と発言し、ゆがんだ歴史観が問題となった麻生太郎総務相を起用。米軍再編・基地強化がすすむもとで、自民党安保調査会長として“親米”の立場から日米協議を推進してきた額賀福志郎氏が防衛庁長官に就任しました。

 庶民大増税路線の推進では、消費税増税について「誰が首相になっても避けて通れない」とのべた谷垣禎一財務相が留任。消費税率を10―15%に引き上げる提言をした与謝野馨自民党政調会長が金融・経済財政担当相として入閣しました。

 郵政民営化を推進した竹中平蔵担当相は引き続き郵政民営化担当相と兼務の総務相として内閣に残留。公務員制度「改革」など米国、財界いいなりの「改革」をさらに進める構えです。

 女性閣僚は、小池百合子環境相と猪口邦子男女共同参画・少子化担当相の二人。郵政民営化法案を推進した与謝野氏、二階俊博衆院郵政特別委員長、川崎二郎衆院議運委員長がそろって入閣するなど、論功行賞も目立ちました。

■消費税増税 07年に法案 財務相表明

 谷垣禎一財務相は三十一日、第三次小泉改造内閣での就任会見で、二〇〇七年の通常国会に消費税増税を盛り込んだ法案を提出するとの考えを示しました。

 同氏は、来年秋から本格化する〇七年度税制「改正」議論の中で、「消費税を含めて税制の改革の方向をしっかり決める」と明言。その上で「〇七年の通常国会に(消費税増税関連法)案を出せるようにしなければいけないのではないかと思っている」とのべました。

表

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp