2005年11月2日(水)「しんぶん赤旗」

米兵死亡、10月92人に

イラク 占領の泥沼化が深刻


 【ワシントン=山崎伸治】十月にイラクで死亡した米兵の数が九十二人にのぼり、一月の百六人に次いで今年二番目に多くなりました。イラク戦争開戦以来の死亡米兵の数が十月末までに二千人を超えたことと合わせ、イラク占領の泥沼化が依然深刻であることを象徴的に示す数字となっています。

 この数字は一日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が国防総省の発表に基づいて集計したものです。それによると十月の死者は、二〇〇三年三月のイラク戦争開始以降、〇四年十一月の百三十七人、同年四月の百三十五人、今年一月に次いで四番目となっています。

 イラクでは、今年に入って、一月の国民議会選挙、十月の憲法草案の国民投票などが実施されていますが、これがイラクの安定や治安確立と結びついておらず、治安はむしろ悪化しています。昨年一―十月と今年同時期の米軍の死者数を比べても、昨年の六百三十九人にたいして今年は六百九十二人と増加傾向です。

 こうした点は、ライス国務長官が出席した十月十九日の米上院外交委員会の公聴会でもとりあげられ、共和党のチャフィー議員は、ブッシュ大統領のイラク「民主化」計画は、イラクでの治安確立、復興事業継続、国際支援の「三つで失敗している」と指摘しました。


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