2005年11月14日(月)「しんぶん赤旗」
諫早干拓
有明海の漁獲量は最悪
漁民と弁護団・仁比氏懇談
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「漁業と、家族の運命を他人に委ねることはできない」――。再び諫早湾干拓事業の「開門・調査、事業凍結」を求めて佐賀地裁への仮処分申請を行った漁業者と、弁護団の仁比聡平弁護士(日本共産党参院議員)との懇談会が十三日、長崎県島原市で行われました。
深刻化する一方の漁業被害と有明海異変についての意見交換を目的に開かれたもの。同市と隣接する有明町の漁民ら約二十人が参加しました。
新たな仮処分申請の原告に名を連ねた吉田訓啓氏(41)は「漁船漁業は燃料代にもならず、放流などいろいろやったがもう打つ手がない」と現状を報告。「国は再生策として数年前から海底耕うんをすすめているが意味があるのか。実績のデータを出させてほしい」と要望が出されました。
イイダコ漁を営む漁業者は「今年は漁獲は最盛期の一割にも満たず、この三十数年で最悪」と述べ、タコツボを一週間沈めておけば真っ黒の粘っこいヘドロ状のガタが、層をつくって堆積(たいせき)していると証言しました。
ノリ漁業も、突然「赤腐れ」が広がるなど、「一日で変化が起こるほど海の力がなくなった」と報告されました。
仁比弁護士は、島原市議会の「中長期開門調査と有明海再生を求める」請願採択や、新たな仮処分申請への原告参加を評価し、仮処分勝利へ「いっそうの世論の喚起を」と訴え。参加者は有明海再生への決意を新たにしました。