2005年11月15日(火)「しんぶん赤旗」
アスベスト被害指定医療機関
全国で114カ所だけ
3県はゼロ
アスベスト(石綿)作業に従事した元労働者に支給される石綿健康管理手帳を持っていても、無料で定期健診をうける指定医療機関があまりに少ない――。こんな実態が十四日までにわかりました。
石綿健康管理手帳は、アスベストの製造などに従事し、両肺にアスベストが原因で「不整形陰影」がある場合か、または胸膜肥厚斑(プラーク)がある元労働者に支給されます。無料で年二回の健康診断が受けられます。
この健康診断は、厚生労働省の指定病院に限定されているため、健診を受けたくても近所にある指定の医療機関で健診が受けられなかったり、指定機関でないと検査が無料になりません。
同省によると、指定医療機関は岩手、群馬、福井の三県がゼロ。四十四都道府県でたった百十四の医療機関しか指定になっていません。
首都東京では東京労災病院(大田区)だけ。埼玉県も、埼玉社会保険病院の一つだけです。
アスベスト健康被害者の診療を長年にわたっておこなっている医療機関が、同省の指定医療機関になっていないケースもあり、指定の大幅な拡大を求める声がでています。