2005年11月16日(水)「しんぶん赤旗」
福祉崩され 黙っていない
高齢者大会4000人
「元気で長生きするために高齢者いじめの悪政を変えよう」「憲法九条を守ろう」と第十九回日本高齢者大会が十五日、神戸市で始まりました。
小泉「構造改革」で高齢者の年金も医療も介護も次々と切り崩されている事態に、「高齢者の医療費自己負担を三割にする医療制度の改悪反対」「消費税増税・庶民大増税は絶対に許せない」と書いたゼッケン姿の高齢者約四千人が全国から集まりました。壇上からの訴えのたびに拍手や「そうだ」「消費税なくせ」との声があがり、熱気に包まれました。
岐阜県から年金者組合の仲間と参加した鵜飼国光さん(81)は、年金の控除がなくなり、介護保険料があがり月六千円も年金受給額が減りました。話を聞いて、「このまま黙っているわけにはいかない」と力を込めます。
参加者のなかには、戦禍を被った人が目立ちました。憲法九条を改悪させてはならないとの思いと声があふれました。
和歌山県から夫婦で初参加した中谷裕美さん(66)は最近、二十六歳で戦死した父親の遺品を見つけました。「戦争は絶対にイヤです。十一歳の孫がいます。憲法九条を変えたら徴兵制では…。絶対に許せません」
作家の藤本義一さんが大阪弁で、脳を働かし老後を生きようと話すと会場は笑いの渦。「生きがいをなくし、自殺する高齢者は年間一万人」と構成詩の発言にはハンカチで目頭を押さえる姿も。
兵庫県実行委員会の白井篤子事務局長が基調報告。高齢者の生活不安をなくす運動をいっそう強めようと訴えました。
▼日本高齢者大会 一九八七年、高齢者のための運動を広げようと十一の中央団体が実行委員会をつくり、京都市で第一回大会を開きました。高齢者が尊厳を持って生きられるよう地域からの連帯で、ひとりぼっちの高齢者をなくそうと毎年、開かれています。