2005年11月17日(木)「しんぶん赤旗」

北東アジア発展

正しい歴史認識が基礎

中韓首脳会談 「靖国参拝」を批判


 【釜山=面川誠】韓国の盧武鉉大統領は十六日、ソウルの大統領官邸で中国の胡錦濤国家主席と会談し、正しい歴史認識が北東アジア発展の基礎だとの認識で一致しました。


 会談後の共同記者会見で、盧大統領は「両首脳は歴史問題が北東アジア地域の国家間の協力と発展に否定的な影響を与えてはならないとの点で認識をともにし、域内の各国家が正しい歴史認識を土台に未来志向的な関係に発展していくよう、ともに努力すべきだとの意見で一致した」と語りました。

 日本を名指ししていませんが、十五日の中韓外相会談に続き、小泉首相の靖国神社参拝など日本政府の姿勢を懸念していることを示しました。

 胡主席は「(中韓両国が)地域の平和と安定のためいっそう大きく寄与することを改めて言明する」と強調しました。

 両首脳が発表した共同声明は、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の共同声明を履行するために努力することで合意。六カ国協議参加各国が朝鮮半島の非核化のために「誠意を持って柔軟性を見せ、六カ国協議共同声明を誠実に履行する」よう促しました。

 盧大統領は会見で、十月末に訪朝した胡主席に対して北朝鮮の金正日総書記が「六カ国協議の共同声明は非常に肯定的な意味を持っている」と語ったと明らかにしました。

 また、盧大統領は、韓国が中国に対し世界貿易機構(WTO)の基準に伴う「市場経済地位(MES)」を認定することを伝えました。

 共同声明は両国の「全面的協力パートナーシップ」を強化するとし、経済・通商での協力強化として、韓国が中国の「市場経済地位」を認定し、中韓自由貿易協定(FTA)実現に向けた民間共同研究を予定通り推進することに合意しました。

 中国の「市場経済地位」を認めた国は韓国が四十二番目。年間貿易額が千億ドルを超える国では初めてといいます。日本、米国、欧州連合(EU)は認めていません。

 中韓両国産のキムチから寄生虫が検出されたことから生じた「キムチ紛争」では、食品検疫に関する高官級協議体を早期に発足させることを確認しました。


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